「エイ」に心を奪われた話

皆さんが今一番気になっていることは何だろうか。
 
増税、副業(複業)といった社会的な関心事。
BTSのMステ出演見送り騒動といった芸能ネタ。
はたまた目の前にいる人の鼻毛だろうか。
 
今、私が一番気になっていることは、上記どれとも違う。
社会的インパクトもなければ、芸能的な魅力もない。
大概の人は歯牙にも掛けない事であろう。
 
それは何か。
 
 
 
 
「エイ」だ。
 
 
 
 
尾に毒を持つ魚のエイではない。
近頃のラッパーがよく使う、あの「エイ」だ。
 
 
 
 

●きっかけは電車の中で

帰宅電車での習慣、Spotifyで音楽を聴きながら読書に耽る。
これで憂鬱な帰宅ラッシュもフレッシュな時間になる。
(ちなみに朝はVoicyとTwitterでやり過ごす) 
音楽を聴きながらと言いつつ、読書のゾーンに入ると音楽は聴こえてこない。
集中力が読書を優先する。これが私の通常の状態である。
 
ところがだ。
 
  • エイ(頭にアクセント)
  • エイ(平らなアクセント)
  • エーイ(ルードな感じ)
  • エイッ(威勢のいい返事)
 
突然、数々の「エイ」が私の読書ゾーンに割り入ってきたのだ。
集中力が「エイ」に奪われたのだ。それも一瞬で。
この類は一度気になりだすと厄介だ。
深夜の秒針音のように、もうそれしか聴こえない状態になる。
私は電車の中で、完全に「エイ状態」に入ったのである。
 
家に着いても「エイ状態」から抜け出せなかった。
「エイ」は私の心を支配していた。
 
私:「エイ」が気になるんだ
私:いや、その「エイ」じゃない。「Yo」みたいなやつ
妻:エイ?ヨウ?
私:そうそう
妻:・・・・
 
無言になるのも当然である。
帰宅して早々に「エイ」やら「Yo」やらブツブツ言っている旦那は恐怖だ。
頭がおかしくなったに違いないと考えたはずだ。
もう付き合ってられない、離婚だとも・・・。
 
・・・なんということか。
「エイ」は私たち夫婦を破滅させる存在にまで育っていたのだ。一日足らず、数時間で。
これ以上「エイ」の話をするのはまずい。「エイ」の思う壺だ。
逃げるようにベットに潜り込み、DMMで気を散らしたのは言うまでもない。
 
 
 
 

●「エイ」とは何か

前置きが長くなってしまった。核心に迫ろう。
冒頭にも書いたが、「エイ」とは近頃のラッパーがよく使うフロウである。
どのように使うのか。実際に聴いていただくのが手っ取り早い。
 
 
 
 
「エイ」改め「Ayy」である。
「Ayy」の歴史について、以下のサイトに詳細がある。
 

「Ayy」というフロウがどうやってヒップホップでトレンドになったのかを明かすムービー - FNMNL (フェノメナル)

歌詞サイトのGeniusが1本の興味深いムービーを公開した。それはいわゆるマンブルラッパーと言われる若手たちが、多用する「Ayy」というフロウが、どうやってヒップホップに広まっていったかというものだ。 

 
とても興味深い記事である。
何より、私以外にも「Ayy」を意識している人がいたことに安心した。
「Ayy」は2000年代前半から使われ始めたようだ。10年以上の歴史があるとは意外だった。
誰が「Ayy」オリジネーターなのかは明らかになっていないようだが、
この類は同時発生するもので、オリジネーター探しは無駄である。
恐らく「Ayy」に深い意味はない。そして、この投稿にも深い意味はない。が、
 
もしかするとこの投稿を読んだことがきっかけとなり、
皆さんも私と同じように「Ayy」に心を奪われるかもしれない。
 
新しい「Ayy」を探す旅に出て、
次は皆さんがこのような投稿をするかもしれない。
 
恋人の問いに「Ayy」と返してしまうかもしれない。
 
だが安心してほしい。
「Ayy」には恋仲や夫婦仲を破滅させる力はない。
 
 
 
 
 
※ヒップホップかっこいいよ!って伝えたいだけの投稿です。